Topics Year 2009
2009年総まとめ By 加奈子ファンさん
○元五輪代表舛田圭太、米倉加奈子両氏が日本代表コーチに就任
○大阪インターナショナル、女子単で後藤愛選手、男子複で廣部・小宮山組、女子複で松友・高橋組が優勝。
○オグシオ解散の潮田玲子選手は池田信太郎選手と「イケシオ」結成。小椋久美子選手は故障で無期限休養。
○広州での世界国別対抗スディルマン杯で日本代表は1部残留を果たす。優勝は中国。
○近畿まほろぼインターハイ、男子団体は埼玉栄高校が5年連続6度目、女子は青森山田が7度目の優勝。星野翔平選手が3冠。
○ハイデラバードでの世界選手権、女子複のスエマエがベスト8進出、男女単複で中国金メダル独占。
○ヨネックスオープンジャパン、女子複のスエマエが準優勝、女子単の廣瀬栄理子選手がベスト4と健闘。
○アロールスターでの世界ジュニア選手権、団体戦は日本6位、男子単の渡邊達哉選手が3位。
○全日本総合、男子単は田児賢一選手、女子は廣瀬栄理子選手が各2連覇。男子複は平田・橋本組、女子複は松尾・内藤組
○日本リーグ、男子は日本ユニシスが3年ぶり3度目、女子は三洋電機が8年連続15度目の優勝。
加奈子ファンさんありがとうございます。
報道関係の話題は「オグシオ」から「イケシオ」に変わりました。全日本総合などでは取材コートが設けられ、やはりそれは凄い状態でした。バレーボールや卓球などでは当たり前かもしれませんが、初めて目の当たりにしたので驚きました。世界では中国がトップを走っています。経済成長率も大きく、まだまだこれから注目される国だと思います。政権交代後も、まだまだ不況から抜け切らないようですが、実業団事情が心配です。

ミズノが「人工羽根バドミントンシャトルコック」開発に成功しました。評判はまだわかりませんが、このエコの時代に影響を及ぼすのではないでしょうか。
『運』を呼び込む
今までは、バドミントンで勝つ上で大切なことは、勝つための実力、つまり技術や体力をしっかりと練習し、いろいろな戦術を研究し、メンタル的なタフさを身につけるための生活習慣の改善、「心」の在り方が大切であると考えていました。
もちろんそれらは非常に大切です。しかし、勝負の世界ではそれらに加え、「運」の存在を無視してはいけないという考え方が将棋の名人によって語られています。
バドミントンにおいて、運が左右するなんて・・・と一見否定的に考えられそうですが、「運も実力のうち」という言葉があるくらい、その存在は確かにあるものだと感じています。
「運」を自然発生的なものとして放っておくのか、何とかして自分の方に呼び込むのかと考えた時に、やはり、呼び込めるならば呼び込みたいと考えると思います。
ここでは「運がはたらく」ことを「勝利の女神が微笑む」と表現されていました。
勝利の女神が微笑むにはどうすれば良いのか。
・謙虚であること
いかなる場合においても「自分が絶対に正しい」と思い込んではいけないということです。会議などや話し合いの中でも「自分が正しい」と思い込んで、周りを責めたてることは、女神の不興を買うということです。世の中では自分が正しいと思い込んでいたとしても世間が間違っていると言えば間違いになるし、間違っていることでも世間が正しいと言えば正しいことになってしまう場合は多々あります。だからといってそれに賛同しなければならないという訳ではなく、そういうときは「黙っておく」ことも大切です。
・笑いがあること
どんなにきちんと身を処していても、その過程で「笑い」がなければ破綻してしまうということです。日々の生活の中では、いろいろなことが起こります。親に対して、子供に対して、周りの人に対して納得がいかないことも起こるかもしれません。しかし、その時にどう「笑い」を入れるか。なかなか難しいですが大切なことです。
・家庭内が平和
勝利の女神が育まれる環境は家庭内が平和であるということです。夫婦間がうまくいくと子供はまっすぐに成長し、不和があると必ず実力は出せません。解決方法は素直さと笑いですね。また、御先祖様のお墓参りに行くことは勝利哲学の必須条件だそうです。
・「惜福」
運、不運は巡り合わせではありません。幸運に合う人の多くは「惜福(せきふく)」の工夫のある人で、悲運の人の多くはその工夫のない人であると言われています。「例えば100万円得たとして、それを1円も残さずに浪費してしまうのは惜福の工夫のない人である。余裕、ゆとりの気持ちの有無が第一のポイントとなる。」
ということです。バドミントンにおいても勝利を得ることでそこから与えられるものがあると思います。しかし、その幸福をすべて受けて享楽にふける者は惜福の工夫に欠けるということなのかもしれません。
・結果よりも過程
バドミントンにおいてもリーグ戦などが行われ、もうこの試合を落としても順位に影響はないという試合があると思います。そういう試合を「消化試合」としてさらっと流してしまう場合があります。が、実はそういう試合こそ勝利の女神が注目しているのです。「相手にとっては重要な試合、自分にとっては消化試合」ほど、運に影響を及ぼすものはありません。こういう試合を簡単に負けてしまうと後々「負け癖」がつき、運からも見放されてしまいます。例えゲーム練習であったとしても「消化試合」と思わず、「全力投球」することが大切なのです。勝利の女神は結果よりもそういう「全力を出す」という過程に興味があるのです。
参考文献:
・「運を育てる」「人間における勝負の研究」米長邦雄(著)
戦う意味とは
スポーツはよく戦争と例えられます。戦争の代わりにオリンピックが発展してきたと言う人もいます。そこで人との競争を極端に避け、山に登ったり、サーフィンをするという、戦う対象を人以外に向けたスポーツも多く存在します。もちろんそれはそれですばらしいいことだと思います。
登山やサーフィンはもちろん人とは戦いませんが、外からの迫りくる自然の障害と自分の中で起こるいろいろな感情(心配や恐れなど)と戦い、それを乗り越えることを目的としているのだと思います。困難に立ち向かい、それを乗り越えることで「脳」ドーパミンというホルモンを出し快感を覚えることは周知の事実だと思います。脳はそのような行為を望んでいるからです。
では、バドミントンのような対人スポーツはいったい何と戦うのでしょうか。それは「人」、さらには「相手や自分」でしょう、と多くの人が思うと思います。私も「人に勝つ」ために練習し、誰々に勝った、○○大会で優勝した、という経験はとてもうれしいものでした。しかし、すべての人は必ず負けを経験します。勝利を目指して一生懸命練習してきた人はとても悔しい、苦い経験をすることになります。その「苦い経験をもう二度と味わいたくない」と、さらに練習に励むのだと思うのですが、その過程では、ミスや負けがやはり多く出てきます。そうすると心の中では、例えば「こんなミスをしていると勝てるわけないよ」とか「何やっているんだ、もっとしっかりと羽を見て上手く当てろ!」という言葉を自分が発することにもなりますし、指導者がいる場合はそのような言葉が実際に投げかけられることもあると思います。
そのようなことが積み重なるとどうなるか。上手くいっているうちはいいのですが、ミスが出た瞬間に「やばい、こんなミスが出てきた」という不安の言葉を発し、さらには「ここをこういう風に修正すればいいのかな?」と心がささやき始めます。しかし、たいていの場合は集中力に欠き、上手く修正できません。意識して体の動きを瞬時に修正することはできないからです。スムーズでトータルな体の動きを司っているのは下意識だからです。
「下意識」は今までの目で見た映像や感覚をすべて記憶していると言われています。つまり、ある程度経験をしてきている人は、実はいいプレーのすべてを知っているのです。しかし、練習の過程で「ああしろ、こうしろ」と言われ続けそれに従ってきている人は、「ああ、これが言われたプレーかな。これでいいのかな。」と思うようになり、実際はもっと「この感覚よりももっとこの方がいい」と下意識は感じながらも指導者に従うようになってしまいます。本当の感覚までも鈍らせて!これでは下意識に体験させたことになりません。
今のバドミントン技術はとても高度になってきており、ある程度の基礎技術は存在します。それは無視することはできませんが、基礎の上に応用、つまり個性を築き上げて行くのは、個人の感覚しかありません。「新インナーゲーム:W.Timothy Gallwey著」では、その感覚を邪魔しないように、練習過程で自己による「良い、悪い」の判断を行わずに、下意識による体のコントロールがスムーズにいくようにすることが最も早く上達すると述べられています。体験することが最も大切だということです。それは下意識が体験しないといけないので、心に浮かぶ評価の言葉は不要なのです。外部からはもちろんですが。
下意識を引き出すにはどうすればいいか。心の中に余計な言葉が出てこないように「あることに集中」することが大切です。集中するためにはいろいろなところでよく言われていますが「今」に集中することは大前提として大切です。過去の失敗や結果への不安は、「今」に自分を存在させなくしてしまう余計な言葉掛けです。
しかし、上手く今に心が存在できているとしても、プレーを修正する思考や細かな戦術を考えているとやはり集中できません。戦術は大切でしょ?と言われるかもしれません。もちろんそうだと思います。しかし、戦術を実行するには過去に徹底して練習し、下意識に記憶させておかなければならないのです。やったことのない(やっていても下意識に体験させられていない)ことはできないのです。
体の動きは「下意識」に任せ、意識はどこに向ければいいか。個人によって様々ですが、ある焦点に絞り込むことが大切です。テニスでは例えば、「音」もしくは「ボールの縫い目」、「相手コートの一点」等に意識を集中させると心は余計な言葉を発しなくなるそうです。
話がそれてしまいましたが、脳は困難を乗り越えることに快感を覚えます。もちろん下意識もそのような新しい体験をとても好みます。つまり、この「困難に打ち勝つこと」が真の目的なのです。バドミントンのために集中力を養うのではなく、集中力を研ぎすまし下意識によって体をコントロールさせ、困難なショットに打ち勝つ体験をするためにバドミントンをしているのです。
もはや、「戦う」対象は「困難なショット、ラリー」であり、対戦相手ではありません。逆に、対戦相手は「私」に困難なショットを提供してくれる「フィーダー」です。相手の下意識も自分にそうなるよう望んでいます。「もっと嫌なこと、タイミングを外したり、だましたりして困難を克服する状況を作ってくれ!」と。ですから、もう勝てそうだと手を抜いてプレーすることは、相手にとって失礼に当たる訳です。
今まで、勝った相手、負けた相手のことを考えるとどちらに対しても心穏やかになることはありませんでした。しかし、「戦う対象は人ではなく、困難なショットだ」と考えることができるととても心に穏やかさが戻ってきたように感じます。
参考文献:
・「新インナーゲーム—心で勝つ!集中の科学」
W.ティモシー ガルウェイ (著), W.Timothy Gallway (原著), 後藤 新弥 (翻訳)
・「脳を活かす勉強法」
茂木 健一郎 (著)
バランスの重要さ
スマッシュを強くリターンするためには、ある程度の筋力が必要です。最近ではテニスラケットやスカッシュのラケット、重いトレーニングラケット等でリターンやドライブ練習するのを目にする機会が増えました。特にインドネシアのダブルス選手では当たり前のトレーニングとなっているようです。(ただし、ジュニア選手は成長期との関連から注意が必要です)
しかし、いくら強い筋力をつけたとしても、人の体は左右対称に作られているので、ラケットを持つ利き手を強く振れば振るほどその反動に耐えることができず、バランスを保てなくなります。

上の写真は、韓国のYOO Yeon Seong選手のレシーブですが、バックハンド側のインパクトと同時に大きく左手が逆方向に振られています。この運動のおかげでレシーブ後もバランスを崩さず、さらに、すぐに前へ出て行くフットワークが実現されています。
肩関節が強張っていては、このような速い右手の振りもできないので、やはり関節は脱力できていると推測されます。連続してスマッシュを打たれ、最後にはくい込まれてしまう方は大変参考になると思います。
動画はこちら
練習試合作成補助プログラム「もれない君」
(結果印刷画面付き「もれない君2」は最下段からダウンロードできます)
数日間にわたる練習試合では結果一覧の作成や、対戦に時間を割かれるものです。対戦したことのない相手を見つけるのも苦労する場合がありますね。
そこで、いちいち名前を記入する手間が省け、対戦から漏れている選手がないようにし、結果も星取表からすぐにわかるようなエクセルファイル、題して「もれない君」を作ってみました。
1.まず、「名簿」シートに名前、学校、学年等を入力します。番号は選手番号となるので印刷しておくと便利かもしれません。後は、名前を入力することはなくこの番号の入力のみとなります。
2.氏名が入っているところの前のセルに選手番号を入力します。すると、右表から名前が消えていきます。また、上部には総人数、登録人数(棄権している人を除く)、あと残りの人数が表示されます。
ポイントを入力するとゲームカウントは自動で入力されます。
3.結果を星取表に入力します。実力が接近している選手を同じリーグに入れると見やすくなります。左の氏名の前のセルに選手番号を入力します。
すべて右上段に入力し、左下段は自動入力されます。ポイント数それぞれの場合に分けて入力します。
4.もし、リーグ表外の選手との対戦があった場合は、色枠内に手入力します。
セル内改行は「alt」+「enter」ですね。
5.ダブルスも同様に行います。「シングルベース」、「ダブルスベース」には入力せず、シートをコピーして入力すると便利です。
プログラムは以下からダウンロードしてください(右クリックで「名前をつけてリンク先を保存」でできると思います)。ポイント入力すると星取表に自動入力できればと思うのですが、まだまだアイデアが浮かびません。
いい方法がもしあれば教えてください!
練習試合作成補助プログラム「もれない君」(morenaikun.xls)
シングルス・ダブルス同シート入力、結果印刷画面付き
練習試合作成補助プログラム「もれない君2」(morenaikun2.xls)
シングルスの脱力
近年のバドミントン技術レベルは格段に上がってきており、小学生でも高度な技術を使いこなす選手が目立ってきました。20年ほど前までは、フットワークスピードやジャンプ力、スイング力を上げるために、過酷な筋力トレーニングを行っていました。競輪選手のような太腿を持っている選手も珍しくありませんでした。しかし、日本を代表する佐藤選手や佐々木選手、田子選手などを見てみると体は引き締まっていますがそれほど太い筋肉は見られません。ふくらはぎは逆に細く見えます。
人は地面に立っています。つまり、地面の力を利用できないと一歩踏み出すことでさえできなくなります。また、地面に立っていたとしても体のバランスが偏った状態では移動したい方向に行くまでに、多くの時間と筋力を使うことになってしまいます。
体のバランスを感知するのは耳に中にある三半規管ですが、実際にバランスを調整するのは筋肉の中にある筋紡錘です。これは筋張力のセンサーの役割を果たしますが、筋肉が緊張した状態だと正常に機能しません。つまり、プレー中に余計な力が入っていたり(もちろん立つために最低限の筋力は使います)、精神的な緊張が筋肉に影響していると、体が傾いていることをうまく修正することができなくなってしまうのです。そのような状態では技術をうまく使いこなすことができませんし、戦術も組み立てられません。
この写真は、シングルスの一部ですがラリー中の状態です。緊張することなく、だら~ゆら~と立っている感じがわかるでしょうか。
脱力できているので、次の瞬間にどこでも移動、ジャンプできるように準備された状態になっています。ここからの移動はスムーズなので、上半身も力を抜くことができます。そして、シャトルへのコンタクトも細かいところまで調整することができるので、正確でエラーの少ないショットが打てるわけですね。
動画はこちら
下の写真はサイドリターンでのバランスの崩れからすばやく回復し、次のショットへのダッシュが見られるラリーです。インドネシアのタウフィック・ヒダヤット選手などでよく見られた体さばきですが、日本の高校生でもできるようになっている選手が多くなっているのですね。
 |
 |
 |
| 1:右サイドへのショットに反応 |
2:速いショットなのでバランスを崩しながらもリターン |
3:右足では止まれないので左足を進行方向へ |
 |
 |
 |
| 4:左足でストップ&キック |
5:右足の股関節、頭の位置をうまく使い、上半身の重心を移動 |
6:重心位置の回復に成功 |
 |
|
|
| 7:次の方向へダッシュ |
|
|
動画はこちら