Topics Year 2008

2008年総まとめ By 加奈子ファンさん
○大阪インターナショナルチャレンジ、女子複でオグシオが初優勝。
○ジャカルタでのトマス杯・ユーバー杯、日本男子はベスト8、女子はまさかの全敗。
○埼玉インターハイ、男子団体は埼玉栄高校が4年連続5度目、女子は聖ウルスラ学院英智が2度目の優勝。和田周選手、松友美佐紀選手が3冠。
○北京五輪、女子複で「スエマエ」末綱・前田組が第1シードを破り、史上初の4強進出の快挙。他オグシオ8強、舛田・大束組8強など日本勢奮戦。
○ヨネックスオープンジャパン、田児賢一選手、舛田・大束組、スエマエが4強進出。
○元アジア女王米倉加奈子選手が引退。長く日本男子をリードした舛田圭太選手は代表引退。
○プネーでの世界ジュニア選手権、女子単の佐藤冴香選手が準優勝。
○五輪後の進路が注目されたオグシオは解散へ。バドミントンの人気拡大に大貢献、数々の感動をありがとう。
○全日本総合、女子複でオグシオがスエマエを破り五連覇で有終の美。男子単は史上最年少の田児賢一選手、女子は廣瀬栄理子選手、男子複は坂本・池田組。
○日本リーグ、男子はNTT東日本が2年連続17度目、女子は三洋電機が史上初の7年連続14度目の優勝。
加奈子ファンさんありがとうございます。北京オリンピック盛り上がりましたね。バドミントンの試合がライブで放送されたことでバドミントンのファン層も大きく膨らんだと思います。「オグシオ」効果はその後も大きく、これからの活躍に期待したいと思います。男子のほうも若手が力をつけてきており4年後のオリンピックには期待が高まります。その頃はデジタル放送ですね(^^)。
しかし、不況のあおりで企業がスポーツ界から撤退しているところも多く、また、国としてのスポーツへの援助も他国に比べてまだまだだと感じます。外国から見た日本選手は、仕事をしながら少ない練習時間で本当にがんばっているといわれています。バドミントンのレベル向上のためにもう少し国からの援助を期待したいところです。

ルルク・ハディアント氏の教え

北京オリンピックに出場したルルク・ハディアント氏(インドネシア:写真下)が来日し、講習会を開いていただける機会がありました。その中でいろいろなお話を聞くことができ、少しまとめてみることにしました。
ウォーミングアップは全力で
体育館に通訳の方2人と共に小柄なルルク氏が入ってこられました。どのような形で講習会を行うか打ち合わせした後に20分くらいウォーミングアップしていただきました。柔軟運動と基本ストローク練習で行っていましたが、終わってみると全身に汗びっしょりの状態でした。今まで見た外国人選手のウォーミングアップはかなり適当なものが多かっただけに、「この人は少し違うな」と正直に感じました。
「ノーロブ」のダブルス練習
ルルク氏はダブルスの選手です。したがって今回はダブルスのレッスンです。
「No Robing」がテーマのこの練習。つまり、高く上げない練習です。
コート奥を狙う場合は低いアタッキングロブを打ちます。自然と速いラリーの応酬になり、アタッキングロブを狙うためラケットの準備も早くしなければ間に合いません。もちろんミスは語法度です。
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黄色の部分で行います。ネット前は打ってはいけません。ハーフショットを多用し速い展開に持ち込みます。 |
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全面で行いますが、ネット際を多く使うようにします。 |
Practice for Defence
コート幅などを限定した練習ですが、「Very Important!」と連呼されていました。シンプルな中に本当の難しさや大切さがあるのだと思います。
<No.1>
よくある半面での練習です。一対一で行いますが、やはり大切なことは「
ミスをしないこと」「
試合を想定して全力で行うこと」です。
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半面で行います。
赤の方はスマッシュとドロップを25~30本打ちます。
水色の方はしっかりとディフェンスします。 |
<No.2>
これも半面での練習です。二対一で行います。前衛からも積極的に打ち込みます。
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半面で行います。
赤の方はスマッシュとドロップを25~30本打ちます。
青の方はプッシュ、ネットで攻撃します。
水色の方はしっかりとディフェンスします。 |
<No.3>
攻撃側が3人になります。ディフェンスは半面を守ります。
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攻撃は全面から行います。
水色の方は半面でしっかりとディフェンスします。 |
バドミントンは早く点を取る競技
「バドミントンは強く打つスポーツでも、ラリーを楽しむスポ ーツではありません。 点数を競うスポーツです。 トーナメントで勝ちたいなら、どうすれば簡単に点数が取れるのか?を常に考えてください。 それは、体力の消耗を防ぎ、集中力を長く保つことにつながります。 それ無しでは優勝できません。」
ルルク氏からの言葉です。今まで、「ラリーをつなぐことを楽しんで」という考え方は皆さんにあると思います。私自身もそうですが。「如何に簡単に点を取るか・・・」この言葉は忘れません。バドミントンの競技性の原点に触れた感じがしました。
世界一考えること
「大学生以下の方へ。自分の道は自分で決められます。世界一になりたかったら、 世界一考え、練習してください。コートで何を考えるかが重要 です。どうせやるなら、世界チャンピオン目指して毎日頑張っ
てください。」
これもルルク氏からの言葉です。目標は自分で決めるものです。イメージを強く持てば必ず行動が伴ってきます。「やらされている練習」ならやらない方がいい人生を送れるかもしれません。
トレーニング
ダブルスプレーヤーは速い動きの中でコンパクトに強く振り抜かなければなりません。年齢がくればウェイトトレーニングは必須のようです。また、スカッシュや重いラケットで打ち込む練習も必要だと教えてくれました。逆にシングルスプレーヤーでは、ダブルスプレーヤーほどウェイトトレーニングは必要ないそうです。
ワンポイントレッスン
●サービスの方向で前衛の待ちを決める
サービスをより多彩で攻撃的に、相手の返球に対して狙いを定めることが大切。
●ローテーションで攻める
より速く、攻撃を連続で行うにはローテーションが重要です。高校生へのノック練習でも「Move! Move! Move!」と声掛けを行っていました。足を動かすことはとても重要なのです。
●ネット際でエラーしない
如何に上げさせるかを考え、ラリーを組み立てます。その際、ネットでのエラーは致命傷になります。速い動きの中でのラケットワーク、ボディーバランスをうまく行い、エラーをしない練習をつむことが大切です。ネット前からはすべてプッシュするのではなく、クロス前に運ぶことで相手からのロブを狙うなども考えられますね。
終わりに
今回の企画してくださった通訳の小宮さんには大変感謝しております。また、私のたどたどしい英語にも何とかコミュニケーションしようという姿勢を見せてくれたルルク氏には感激しました。英会話を本気で勉強するきっかけにもなりました。写真はルルク氏を挟んでけいいちんとひろっしーです。

心を鍛える
バッターはなぜ豪速球を打てるか
野球で考えてみると、ピッチャーが150キロ以上のボールを投げると、ホームベースに到達するまでの時間は単純計算で0.45秒を切るそうです。一方でプロのバッターがスイングにかかる時間はおよそ0.2秒、また、脳が体に命令を下してから実際に体が動くまでの神経反応は0.3秒といわれています。つまり、脳がボールを見て「打て」と体に命令してから実際にスイングが完了するまでに0.5秒かかってしまい、150キロを超える球は打てないことになります。では、なぜバッターがそのボールを打つことができるのか。それは、打つイメージを自分の中で作り上げ記憶する「イメージ記憶」を使うことによって運動が行われているのです。
バドミントンでも同じようなことがいえると思います。相手のスマッシュやドライブが速い場合、実際に見てから反応していては間に合わないことが多々あります。こういうときには、成功したという過去のイメージ記憶を呼び出し、潜在意識下で体に反応させることでうまくいくということになります。
つまり、練習の段階での
成功体験をどれだけ多くイメージ記憶するかによって、プレーの良し悪しが決まるということです。イメージ記憶はその瞬間だけに働くものではなく、ラリーの展開も記憶されることがあります。つまり、「そこに打つとかなり高い確率でここに返ってくる」というような場合ですですね。
イメージ記憶の鍛え方
では、どうすればイメージ記憶力を鍛えることができるのか。それは「心」を使うことです。「心」とは何かを思ったり、感じたりすることですが、ただ単に情報を記憶するのではなく、その時に感情をも組み入れて記憶するとより多くのイメージ記憶が残ります。その方法とは。
1.人の話は興味を持って
感動して聞くようにする。
2.内容を
好きになる
3.
短時間で集中して覚える
4.内容を自分の
得意分野と関連付ける
5.
声に出す
6.内容について自分で
考え勉強する
7.内容を
目を閉じて声に出してみる
脳を疲れさせては意味がない
日本では、よくコーチに怒鳴られながら「辛抱」、「我慢」などという言葉の元に猛練習に励むことがあります。しかし、イメージ記憶を高めるためには、
気持ちを込めた練習を習慣化し、意欲と集中力を高め、感動や楽しむ心を大切にしなければなりません。怒られる状態が続くと、人は脳を守るため、話を聞かなくなり、集中力も衰え、自分で創意工夫して解決していく力も養われなくなります。指導者は、結果を出したいがために怒るのではなく、
失敗した理由を丁寧に教え、具体的な解決方法を明らかにして練習させることが大切なのですね。
「心技体」
「心」:
目的は「勝つこと」でも、そこに拘ってしまっては緊張したり、失敗を恐れたりし実力を出すことができません。日本人の性格から「勝つ」ために、「勝ち方、勝つために求められる技や作戦」という目標に向って全力を注ぐことがかえって勝利に近づくことができます。北京オリンピックではオグシオペアが準々決勝で中国ペアに圧倒され負けてしまいました。もしかすると、マスメディア等の過熱で結果を求められるあまり、普段の練習で笑い声や冗談などを言い合うことが少なくなり、バドミントンを楽しむことができなくなっていたのかもしれません。楽しむことができないとプラス感情から来る良いイメージ記憶は増やせません。
「技」:
「なんだかうまくいきそうだ」という空間認知能力を鍛えることが大切です。この能力は微妙な動きにも関わる前述の「イメージ記憶」を鍛えることで、同時に運動神経の力まで高めることができるのです。
1.
性格を明るくしてプラス思考をする
2.
やる気をもって行動する
3.さまざまな行動に
気持ちを込める(運動以外にも)
4.何に対しても
勉強する向上心を持つ
5.感動や悔しさの
感情を大切にする
6.
決断と実行を早くする
「体」:
筋力的にはやはりトレーニングが重要ですが、それらをうまく使う「バランス」「姿勢」が大切です。運動バランスのよい姿勢をとると、力学的に無駄の少ない運動ができると同時に、心拍が安定し、疲れにくくなります。また、脳の疲労も軽減し、試合中に集中力を維持できるようになります。
よい姿勢とは、この場合「
どんな姿勢からでも真上に飛び上がることができる」ことを言います。
思考の習慣からプラス思考に持っていく方法だけでなく、脳の仕組みを理解してイメージ記憶を高め、駆使する具体的な方法が今回理解できました。「誠実に生きる」ことは自分の能力(脳力)を発揮させる強力な手段であるということですね。
参考文献:<勝負脳の鍛え方> 林 成之著 講談社現代新書

今に集中すること
選手に「普段やってないことをするな」とふがいないゲーム後に檄を飛ばすことがあると思います。しかし、よく観察してみると、普段やっている姿がそのままゲームに現れていることが多いことに気付きます。ゲー
ムでは負けたくないがために、ミスをした(トリッキーな?)ショットはその後、使わない(使えない)と思い込み、自分のショットのバリエーションを少なくし
ている人も少なくありません。しかし、練習では確かにそのようなトリッキー(?)なショットを使っている場合が多いのです。練習では使っているのになぜ試
合では使う勇気が出てこないのでしょう…。
練習ではミスをしてもその原因を考えるまでも無く、すぐに忘れてしまう事が多いからです。ペナルティーがないからですね。しかし、ゲームでは相手に得点が入るというペナルティが課されるため、「ミスした」というマイナスイメージが尾を引いてしまう場合があります。
ゲームでも練習でも「今」する事に違いはありません。その瞬間のミスには必ず理由があるのです。ゲームではラリー中、後悔の念を持たないことが大切ですが、その原因を前向きに転換して解決するプラス思考が、練習でもゲーム中でもラリーとラリーの間に考えることが必要だと思います。
また、学校生活やクラブ活動では、ストレスのたまる勉強やつらい練習などが毎日行われているものと思います。特に下級生(1年生)は、「あと約3年この(つらい)状況 が続くのか…」と先行く不安感に囚われている人も多いかと思います。まだ起こってもいないそのような未来を考えると、毎日「本当にやれるのだろうか」という不安感で頭がいっぱいの状態で生活してしまうことになってしまいます。そのような心の状態では、その日の「全力」が出 なくなってしまいます。ましてや、就職してからなど「定年になるまであと○○年この会社であくせく働くのか…」と考えてしまうとやる気が失せてしまうのは 当然です。
先行く未来というものは存在しません。あるのは今の瞬間だけです。変えることのできない未来を考えると、毎日全力を出すことができなくなり、全力を出せなかった日々が積み重なった未来が本当に来てしまいます。戦術的に体力をセーブすることはあったとしても、その一日に、その瞬間のラ
リーに全力で挑戦する姿に、その人の本性が現れるものだと思います。

3つの自信
「自信」には3つの種類があると言われています。
一つ目は「過剰な自信」。裏付けもなく、自分の力を過信することから生まれる自信です。多くの場合すぐに失敗しますが、周りのせいにして過信を保つという悪い循環が見られます。
二つ目は「結果からの自信」。うまくいった経験から自信を持つというものですが、これもうまくいっているうちは自信が保てますが、うまくいかなくなったとたんに自信を失ってしまいます。
三つ目は「確かなる自信」。これは「本来、自分は善良である」と考えることから生まれる自信で、常に内から沸き出てくる自信です。自己否定することなく、常に誠実な生活を送ることで自信は育まれていきます。
競技においては「勝つ」ことが目的と言う人が多いかもしれません。しかし、勝つためには「自分の能力は元々優れているものであると確信し日々鍛錬すること」しか近道はありません。本当に大切なことは「勝つ」ことよりも、「日々鍛錬すること」が目的となることなのです。

生まれながらの能力
人心に一部の真文章あり、すべて残編断簡(ざんぺんだんかん)に封錮(ふうこ)されおわる、
一部の真鼓吹(しんこすい)あり、すべて妖歌艶舞(ようかえんぶ)に(湮没いんぼつ)されおわる。
すべての人の心の底には、必ず真の文章、すなわち生まれながらの理性が備わっている。
だが、多くの場合、それらはがらくたのような知識のかけらに覆われて、その真価を発揮していない。
すべての人の心の奥には、必ず真の音楽、すなわち天から授かった感性が備わっている。
だが、たいていそれは、怪しげな芸術によってかき曇らされている。
『菜根譚』より
生まれながらに持っている能力の偉大さとはどのくらいのものでしょうか。つまらない常識にとらわれて人の能力を過小評価していないでしょうか。「私が勉強
できないからうちの子もできない」「私が運動できないからうちの子も運動神経がない」という言葉を聞いたことがあります。そう意識させると実際にそうなっ
てしまいます。言葉かけも同じで、「ファイナルゲームになると君は必ず負ける」と意識させると本当にそうなってしまいます。
いろいろな知識は実践して初めて理解できると思います。試してもない知識をひけらかすのはとても危険なことだと思います。指導者の場合、その人に合うかどうかがわからないからです。
日々実践あるのみ。知識を言葉にするよりもまず行動です。