Topics Year 2005

2005年総まとめ By 加奈子ファンさん
○トマス杯&ユーバー杯2006の概要発表。2006/4/28~5/7東京都/仙台市。
○全英オープン女子単で廣瀬栄理子選手が日本人18年ぶりのベスト4。
○ヨネックスオープンジャパン、日本勢は女子複の小椋/潮田がベスト4。男子単は林丹、女子単は張寧が優勝。
○中国北京での世界国別対抗戦スディルマンカップ、日本はグループリーグ敗退。優勝は中国。
○千葉インターハイ、男子団体は埼玉栄が2年ぶり2度目、女子団体は青森山田が2年連続4度目の優勝。
○米アナハイムでの世界選手権、日本勢は女子単の森かおり選手がベスト8。
○オグシオ人気ブレーク! 人気・実力上昇中の小椋久美子/潮田玲子ペアがデンマークオープン優勝。
○全日本総合、男子単は佐藤翔治選手が三連覇、女子単は米倉加奈子選手、男子複は仲尾/坂本、女子複は小椋/潮田。
○クアラルンプールでのIBF理事会でラリーポイント制の試験的導入決まる。来年五月に日本で可否の採決。
○日本リーグ、男子は日本ユニシスが初優勝。女子は三洋電機が四連覇。
加奈子ファンさんありがとうございます。2005年も色々とありました。特に女子選手が活躍された年であったと思います。そして、2006年はいよいよラリーポイント制が導入されそうです。21点3ゲーム、デュースあり、最高30点まで、ダブルスのサービス権は一つ、とうわさでは聞きましたがどうなっていくでしょうか。

よくある心の癖
私がコーチしているチームでは選手にノートを書かせていますが、目標と内容、問題点、解決方法をそれぞれ、体力、技術、精神、生活の観点から考察させています。しかし、中でも精神についてほとんどの人が同じ文句を並べ、解決方法がわからずに同じことを繰り返していることも少なくないのが現状です。その中から少し例をあげて考えてみたいと思います。当てはまることがあれば参考にしてみてください。
「弱気になるな強気で行け」
誰もが一度は口にしたことのある言葉だと思います。「弱気」は逃げるような、消極的な意味なのでよく理解することができます。そこで「強気になれ」ということは言葉からも逆の意味にとれるのでニュアンスは良くわかるのですが、実際にどうすることなのかよくわかりません。「強気」とは何なのでしょう?思い切り強く打つことでしょうか?後先考えずに前に速く突っ込み打ち込むことでしょうか?大声を張り上げ気合を入れることでしょうか?
実際に「強気」とはどうすることなのか選手に聞いてみました。すると「よくわからない」と返答がかえってきたのです。その時に私なりに答えたのは、「今までやってきた練習を思い出して実行するということじゃないの?」ということでした。「強気」とは離れているかもしれませんが、噛み砕いていうと「今までやってきた練習を思い出して、その練習を信じて実行する」ということなのでしょう。「強気」≒「信じる」ということでなんとなく理解してもらえました。
「我慢する」のではなく「調子に乗る」
「我慢しろ~!」と観客席から聞こえてくるときがあります。何を「我慢する」のでしょうね?もちろん、「体力が切れて息が上がっている状態で倒れそうなのに勝ちたいから倒れそうなのを我慢する」という状況は良くわかります。しかし、競っているゲーム展開などで、自分の集中力が切れそうなのを「我慢」するのでしょうか。そんな状況で集中力が続かない人は勝てないに決まっていますね。突拍子もないプレーをしないように「我慢」するのでしょうか?オーソドックス(定石)なプレーも時には大切です。しかし、そのプレーを徹底しても勝っていけるのは、ある程度までだと思います。やはり、逆の意味に取られがちな「調子」に乗らないとさらに上のレベルには到達できないと私は考えています。バドミントンは相手の待ちのタイミングをはずして攻めていくスポーツです。リズムを一反合わせながら、調子に乗ってはずしていかなければなりません。このように考えていくと、「我慢する」のではなく、プラス方向に「心を開放」して、調子に乗っていくことが大切なのでしょうね。
取れたかもしれない
「ゲーム中に、相手にチャンスボールを上げてしまい、”打たれる~”とあきらめて後ろを向いた瞬間、相手のショットがネットにあたって、自分のすぐ近くに落ちてきた」、また、「相手のスマッシュが遅く、目の前に来たのにミスしてネットにかけてしまった」なんて経験はないでしょうか?いずれもよく耳にするのが「今のは取れていた」という言葉です。しかし、この言葉は「後悔」を生むという意味でも、言ってはいけないのです。なぜなら「後悔」すると集中力が乱れるので100%の力が出なくなるからです。
また、いずれの例にしてもはっきりとした原因があるので「取れたかも」ではなく「その状況では取れない」のです。最初の例は、あきらめて後ろを向いた時点でもはや取れませんし、2番目の例では、取る位置や面の角度など原因はその都度ありますが、はっきりと原因があるからミスが出るのです。ここで、次のプレーに影響しない考え方は、「その状況を受け入れる」ということでしょう。「何でこんなところでミスするんだ」と考えるのではなく「こういう状況ではミスが出てしまい、しかも○○が違っていたんだな」と考えるのです。または、「ミスの原因はわからないがこの状況を練習で再現してみよう」と次への課題とする考え方です。こう考えると後悔を生むこともなく次のプレーにも影響せず100%の力が発揮できるでしょう。
「流れ」
よく「流れに乗って一気に行った」とか、「相手に流れがある」ということを耳にすることがあります。しかし、この「流れ」とはなんでしょうか?「波が激しい、荒い選手」というのは、ゲームの中で、集中力が時々途切れる選手のことを言いますが、相手とのやり取りの中で本当に「流れ」など存在するのでしょうか?「流れ」とは神のみぞ知るもので自分ではなんともならないのでしょうか?
私が考えるに「流れ」などは存在しません。体調変化の周期は生物ですから若干ありますが、「流れがきた」「流れが行ってしまった」というのは、すべて自分の心の中で勝手に考えていることです。しかも、結果から生み出しているので信じてしまうわけです。連続ポイントを取っているときは「自分に流れがある」と考え、自分が13-2で勝っているのに、13-13まで追いつかれてしまった、「相手に流れがある」と考えるのです。連続ポイントを取っているときは自分が集中力を切らしていないので自分の思うようにできているのでしょう。逆に追いつかれそうな展開中ずっと不安に駆られていると集中できず思うようにプレーできていないのでしょう。
たまに「ネットイン」で「相手に流れがあるからな~」というのもよく耳にしますが、それは「たまたま」なのです。そういうラリーは「気にしない」ほうがいいかもしれません。
「自分に流れがある」=「自分が集中力を持続できている」(+)「相手の集中力が切れている」
「相手に流れがある」=「自分の集中力が切れている」(+)「相手が集中力を持続できている」
ということなのかもしれません。しかし、集中力を切らすような選手は100%の力が出ないのでなかなか勝ち残れません。「流れ」を作り出すのは「集中力」です。自分で「良い流れ」を作りましょう。
集中力を乱すもの
100%の力を発揮できなくする「集中力を乱すもの」はなんでしょうか?「勝ちたい人のために」でも書いていますが、ここでは、4つの外発的動機付けについて書きたいと思います。
外発的動機付けとは、やる気を起こす「外からの圧力」です。
- 環境
誰でもコートマットで試合ができるとなればやる気が起こるものです。その上シャトルはY社のトー○メントとなるとまたかわりますよね?しかし、風が入ってくる、壁でシャトルが見にくい、暑い、寒い、床が滑るなどが起こってくるとやる気は下がり、集中力は途切れます。
- 状況
「相手が強いと聞いていたのでゲーム序盤はあまりやる気がなかったのに、競り合ってくると面白くなりやる気が出てくる」、「最後の学年の試合なので頑張ったら優勝した」、などありますが、最初のほうはやはり強いと思った瞬間に集中力は切れているでしょうし、後の例もそれまではサボっていた、集中力を切らしていたということでしょう。
- 人
怖いコーチが見ているから頑張ろう、お父さんやお母さんが来ているから頑張ろうという人もいますが、逆に萎縮して集中力を切らすこともあります。また、見にこないのでやる気が出ないという場合もありますね。
- 結果
誰でも良い結果が出ているときは頑張るものですし、次の試合も頑張ろうと思うでしょう。しかし、負ければやる気が失せたりする人もいるでしょう。
いずれも、自分ではどうすることもできないことばかりです。このようなことに左右されて集中力を乱していると、なかなか100%の力を発揮することができませんね。ということは「勝つ」ということから遠のいてしまうかもしれません。集中力を乱さないための心の良い習慣がプレーにも大きく影響すると考えています。

2005年度全国高校総体
今年は千葉県で行われました。近年の大会の傾向ですが、男女同会場というのが少なく、さまざまな会場に分かれるようになっています。そのため体育館の室温や広さなど環境の差が激しいことも少なくありません。私は男子会場での試合だったのでメイン会場である野田市総合体育館、西部台千葉高校体育館、野田市立第一中学校体育館に行きました。
環境差は未だ改善されず
団体戦緒戦は西部台千葉高校体育館でした。冷房がなければ暑いことは分かっていたのですが、体育館に入った瞬間、数年前の「岐阜インターハイでの熱中症事故」を思い出すかのようなすさまじい暑さを感じました。体育館の中も少し薄暗く、まるでサウナのようでした。選手たちも「5分の基本練習で滝のような汗が出ました」と話しています。団体戦ベスト4に残ったので、準決勝からはメイン会場である野田市総合体育館での試合でした。フロアに下りると「涼しい!」、思わず声が出るほど快適でした。冷房施設が多くこの時期には最適な環境であると感じました。個人戦では第一中学校体育館に行きました。天井が高いのか、さほど暑苦しさは感じず、選手たちも集中力をあまり乱さずにプレーしていたと思います。女子のほうの会場は分かりませんが、この会場の環境の差は選手たちにとって本当に過酷なものであると感じます。室温が37度に達すると換気を行っているようでしたが、10分もすれば元の暑さに戻ってしまいます。「岐阜インターハイでの事故」を繰り返さないためにも全会場に空調設備を設置する必要があると考えます。足元から冷やせばシャトルへの影響も少ないですし、工夫はいくらでも出来ると思います。
男子試合結果
男子団体戦では、やはり総合力に勝る埼玉栄の独壇場となり、1年生の田児選手の活躍が目立ちました。
男子個人戦ダブルスでは、アジアジュニア3位で選抜優勝の大滝・安田(大阪:柏原)、斉藤・斉藤(福井:足羽)、選抜2位の三橋・林(埼玉:埼玉栄)、松浦・鈴木(青森:青森山田)らが有力でしたが、埼玉栄の気力と練習量が勝ったのでしょう、林・三橋組が優勝しました。サービスの工夫と速いドライブ攻撃、相手の待ちをはずす球回しには素晴らしいものがありました。大滝・安田組は暑い苛酷な環境を勝ち上がってきましたが、準決勝は羽を上げることが多くなり押し切られた感じです。
男子個人シングルスでは、同じくアジアジュニア3位の佐伯(岡山:水島工)、去年インターハイ2位の早崎(滋賀:比叡山)、高島(北海道:札幌第一)、上田(埼玉:埼玉栄)、松川(福井:勝山)が有力でした。佐伯、松川選手は、暑い苛酷な環境でしたが、本当にエラーが少なく、集中力を欠かさない試合展開でした。佐伯選手は圧倒的な点差で優勝しましたが、やはり、シャトルへのコンタクト技術の正確さと、相手の足を止めるディセプションの効いた球回し、スマッシュはそんなに強いものではありませんが、集中力を切らさないすばらしい持久力の持ち主です。かつての霜上選手(元YKK)を思い出させるものでした。
あとがき
体育館ごとの室温差は、最初に述べましたので、ここではダブルスについて少し意見を述べさせていただきたいと思います。近年、サービスでのフォルト(アバブ・ザ・ウエスト、アバブ・ザ・ハンド)が多く取られるうになってきています。実際インドネシアで行われたアジアジュニアでは、ドライブサービス(仮名) -床とほぼ平行に打ち出す攻撃性の高いサービス- はもちろん、ロングサービスでも、かなりフォルトをとられたと大滝・安田組は話しています。世界ではもはや「ドライブサービス」というようなサービスは打てないらしいです。しかし、今大会を見てみると、緒戦から「ドライブサービス」をかなり多く見かけます。その連続で数点連取し、ゲームを取るなんていう展開もありました。近年、ナイロン球の廃止に伴い、技術レベルは年々上がってきており、個人戦一回戦からかなりの接戦が展開されています。ルールを遵守するという観点からも、全国大会は副審を最初からつけるということが重要だと感じます。「副審がいないので最初は何でも出来る」というような風潮がぬぐいきれません。世界に出て行くこれからの選手たちにとっても大切なことだと思います。

シンガポールオープン
シンガポールオープンで再び世界のトッププレーヤーが激突しました。
スディルマンカップでオリンピックのゴールドメダリストTaufik Hidayatをストレートで破った中国のLin
Dan、さらに強豪デンマークのPeter Gade、中国のChen Hongのせめぎ合いが続いています。
 |
 |
 |
 |
Taufik Hidayat
(インドネシア) |
Peter Gade
(デンマーク) |
Lin Dan
(中国) |
Chen Hong
(中国) |
まず、準々決勝。Taufik Hidayat vs. Peter Gade(15/13 17/15)
第
1ゲームはPeterの速い展開で始まりました。しかし、Taufikもずっと点を追い続け数点差での展開が続きました。スピードの速いドライブ、ネット
とライン際の強いショットなどの打ち合いが続きました。しかし、Peterに不運なショット(ちょうどライン際のアウト、ラッシュの末のネットミス)が続
き、スリリングな展開でしたが、15/13でTaufikが1ゲームを先取しました。2ゲーム目はPeterはコントロールを取り戻し7/1までリードし
ます。そして、9/1。このとき彼のプレスは「Taufikは疲れているように見えた。コートチェンジして“風”が変わり、コントロールを失っている」と
話しています。確かに疲れているようでしたが、知られているように彼の家族や婚約者などがその開場に来ていました。それを感じたのか、そこから彼のマジッ
クが始まりました。オリンピックのときに見せたようなすばらしいプレーがよみがえってきたのです。若干のラッキーもあり13/9から13/13に追いつ
き、14/14のセッティングの後17/15で競り勝ちました。Peterは次のように語っています。「すべての賞賛がTaufikに向かった。彼は本当
にすばらしいプレーをした。Lin
Danと共に世界のトッププレーヤーの一人である。」Taufikは「この試合は本当にベストマッチだったと思う。勝てて幸せです。もちろん疲れていると
感じた瞬間もありましたが、明日のLin Danとの対戦のために回復しました。」と微笑みながら話しています。
準決勝 Taufik Hidayat vs. Lin Dan(15/13 15/9)
ス
ディルマンカップで敗北している世界ナンバーワンのLin Danとの対戦です。第1ゲームはLin
Danの早い展開で9/3とリードを広げます。強打、ライン際の攻めと彼の有名な"dive-bounce-back-and-smash
killers"が炸裂します。しかし、その間Taufikは辛抱強く"Thenderstorm
pass"で返球します。すぐにTaufikは空きスペースを見つけ、Lin Danの予想できないプレーを展開しました。Lin
Danはバックハンド側にアタックを繰り返しますが、それをネット際に返球するというラリーが続きます。徐々にTaufikは9/12と差をつめ、トリッ
キーなショットとラリーのペースを上げることでLin
Danのリズムを崩します。その後逆転し15/13で1ゲームを先取します。Taufikは「1ゲームは辛抱強くがんばった。12/12に追いついたと
き、私の強い部分でプレーすることができていたので、勝利を確信した。」と話しています。2ゲーム目はLin
Danがいいラリーをしているとしても、Taufikはラリーをコントロールしていました。正確なネット、シャープで効率的なアタックで、Lin
Danはリスクを犯してでも対応しなければなりませんでした。結局そのまま押し切った形で15/9で勝利をおさめました。「彼が私に勝ったスディルマン
カップよりも短い勝負だったのは予想外だった。最近はいいプレーができていると確信していた。」
決勝で当たる中国のChen Hongは韓国のLee Hyun Ilを15/11,15/8のストレートでHidayatと同じように下している。
決勝 Taufik Hidayat vs. Chen Hong(15/9 15/3)
1
ゲーム目、Chen
Hongは速いスマッシュで2、3本を先取するが、その後は、相手の前に落とすリターンと、ディセプションの効いた速いドロップショットで15/9で先取
する。2ゲーム目は、また、Chenが3/1とリードするが、Taufikはいつものように濃ーと奥に低く沈め、ペースを上げて、ワンマンショーの状態で
あった。「ハードな戦いでした。Peter GadeとChen Hongには勝てる確信はあったが、Lin Danは少し心配だった。これで、Los
Angelesの70%準備ができた!」とTaufikは話していた。
「
WorldBadminton.Net」より

スディルマンカップからその後
世界最高峰といわれる男女混合の団体戦「スディルマンカップ」(中国北京5/10~15)が終了しました。この試合は、男子単、女子単、男子複、女子複、混合複の5試合で勝敗が決められます。日本はウクライナ、ドイツ、シンガポールに勝ちましたが、マレーシアに敗れ惜しくもグループ2の2位に終わりました。
優勝は、やはり最強といわれる中国でした。その決勝の模様が
海外サイトに載っていましたので、少しまとめてみたいと思います。(若干表現違いがあります(^^;))
最強帝国中国が、5月15日(日)の夜にトマス杯、ユーバー杯に続くグランドスラムを決めた。インドネシアには3-0での勝利だった。
このスディルマンカップで、中国はたびたび優勝していたが、2003年以降は韓国に優勝を持っていかれていた。しかし、常に心に「いつか必ず取り戻す」という気持ちが、勝利への執念となった。
-混合複-
Zhang Jun/Gao Ling(中国) 2[12/15,15/5,15/8]1 Nova Widianto/Lilyana Natsir(インドネシア)
この対戦は以前に二度行われており、去年の中国オープンの準々決勝ではインドネシアが勝利している、そしてその後のインドネシアオープンでは中国がリベンジを果たしている。
1ゲーム目最初は、中国がリードしたが、その後逆転してインドネシアがゲームを取る。しかし、2ゲーム目は若干20歳のインドネシアの女性はGaoのネットプレーで思うようなプレーをさせてもらえずワンサイドで中国がとった。ファイナルゲームは、サイドチェンジやミスの少ないラリーを展開されたが、中国のポイントリードによってNovaの集中力が少しずつ衰えだし中国が最後まで押し切るような形で勝利を収めた。
-男子単-
Lin Dan(中国) 2[17/15,15/9]0 Taufik Hidayat(インドネシア)
世界ランキング1位のリン・ダンとオリンピックチャンピオンのタウフィック・ヒダヤットの対戦だけに世界が最も注目していた試合であった。
1ゲーム目は、スディルマンカップにふさわしいとても白熱した試合展開になった。お互いの良く似たトリックショットを混ぜながらセティングまでもつれこんだが、17-15でリン・ダンがゲームを取る。2ゲーム目は、6-6まで競り合っていたが、リン・ダンは戦術の視野を広げ、シャープな攻めをさらにテンポを上げて展開した。そのためタウフィックは息が上がり、徐々に集中力が衰えていき、リン・ダンが勝利を決めた。
-女子単-
Zhang Ning(中国) 2[11-1,11/7]0 Franscisca Harris(インドネシア)
優勝まで後ひとつとなった中国は、オリンピックチャンピオンのZhang Ningが、若いインンドネシアンを1ゲーム目はあっさりと1点でとり、2ゲーム目は若干ゲーム展開が激しくなったが、7点で勝利を収めた。
-バドミントンがオリンピックから消える?!-
このように、世界大会をすべて勝ち取った中国ですが、それに
関連する記事を読んでいると興味深いものが出てきました。その記事によると、「IOCの調査によるとバドミントンが行われているのはアジアとヨーロッパの一部でしかなく、もっとメジャー化を図らなければならない。今のような、アジアが強すぎる状態では、2012年にはオリンピックの種目からはずされる」という内容の記事でした。卓球同様、アジアの独占が今後も続けば、バドミントンは観客が減り、スポンサーで成り立つメディア放送なども減少していきます。そうなる前に必要なバドミントンの改革はというと、
「ルールの改定」が考えられるらしいです。もっとゲームをスリリングにするために、不確定要素を多く取り入れる改定が必要だと、記事には書かれていました。この不確定要素とは...やはり「ラリーポイント制」か、と私は考えるのですが、皆さんはいかがでしょうか?

2005年YONEX JAPAN OPEN
激観戦記
 |
| ひろっしー(有田浩史) |
去年に続き今年もジャパンオープンを観戦してきました。お金と時間の節約から激安夜行バスで東京へ。なんと往復8100円という低料金でめっちゃお得と思っていたが、バスは普通の観光バスで座席のスペースは激狭く、リクライニングシートもほとんど倒せない状態。これで7~8時間寝ないといけないかと思うとぞっとした。案の定ほとんど眠れず足・腰ともに激痛でボロボロになって代々木第二体育館に到着した。会場1時間30分前から列に並び、わくわくしながら会場を待っていた。予定より30分早く会場になり一般席で一番前の席を確保した。準決勝6つのうち一つが棄権だったので、5つの試合を観戦した。去年にも負けず劣らずの白熱した試合が多かった。しかし、今回の観戦は激安に始まり、激狭、激痛、激戦の「
激」観戦となった。
男子ダブルス
ラース パークス/ヨナス ラスムセン(DEN)vsチャンドラ/シギット(INA)
準決勝のうち一つが棄権だったので、一つしか行われなかった。今年のジャパンオープンはデンマークの台頭が目覚ましかった。去年までのデンマークに限らずヨーロッパの選手は、守りが中心でスマッシュリターンなども大きく高く返すプレースタイルが主流であったのが、今年は全く違うダブルスになっていた。一口でいうと韓国のダブルスに似ていた。ほとんどのロビングは、クロスの低めに返球し、高低差の少ないスマッシュを誘う。その羽を腰を落とし、ラケットを立ててドライブで切り返すという戦術だった。ドライブの攻防でもインドネシアに全く引けを取らず、インドネシアペアにシャトルをあげさせて攻めていく状況にうまくもちこんでいた。逆にインドネシアはなんとか準決勝は勝ったが、攻撃力のあるデンマークに決勝では完敗していた。インドネシアはドライブやネット前に落とすのはうまいがロビングに工夫がない。大きくあげてスマッシュをリターンしてしまう。スマッシュリターンにかなりの自信があるようだが、7~8割は変化のある戦術によって決められていた。今大会のダブルス決勝は進化するデンマークのダブルスと今まで通りのインドネシアの違いが明確に表れた結果であると思う。また、インドネシアペアは自信が過信になり、シャトルに対する集中力が欠けているシーンがよく見られた。「攻撃は最大の防御なり」の言葉通り攻めた方が有利であることは間違いないと感じた。
女子ダブルス
小椋・潮田(JAN)vs魏・趙(CHN)
準決勝は、日本人選手が残っているとこんなに違うのかと思うくらい会場は最高潮に盛り上がっていた。中国ペアに互角のラリーをしながら惜しくも敗れてしまったが実力は世界でも戦えるものがついてきていると思えた。
そこで小椋・潮田ペアが世界に勝つためには!
<小椋選手>
・サーブは世界と比べてもまったく劣らず、世界に匹敵すると感じた。しかし、サービスレシーブのプッシュをネット際に落とされた時の対処が遅く、いいサービスからのラリーを優勢に運べないことが多々あった。この辺りをもっとリズムよく攻撃できれば得点力があがる。
・試合ではスマッシュが速く、いいコースに決まっていた。しかし、相手の中国ペアもうまくリターンをして切り返してくる。リターンコースに潮田選手がいる場合はうまくいっているが、逆サイドへの切り返しに対して潮田選手がフォローに行った時、小椋選手が前に出て連続攻撃を続けるのが遅い。打った後に前衛のペアの動きを見ながら積極的に前に出てプッシュを決めるダッシュ力が必要。
<潮田選手>
・トップ選手に言うのも失礼であるが、バックハンドとサービスが中国ペアに比べてあまりよくない。特にバックハンドでサービスプッシュをリターンするときにリストスタンドができておらず、肘が伸びきって腕を前に押し出してしまうような上肢の運動になり、スピードのない浮いたリターンになっていた。ラケットを立てた状態から肘の回内運動で常に打てるようにならなければいけない。またサービスもどんな状況であっても自信を持って打てるようになってほしい。
・スマッシュリターンが単調。ほとんどバックハンドでリターンし、ストレート方向へのロビングになっていた。中国ペアを見ているとフォアハンドでリターンする場面も多く、ネット際、サイドへのハーフ球、ドライブと多彩なリターンをしていた。潮田選手もフォアハンドでのリターンも取り入れて相手を揺さぶるようにできれば攻撃につながっていく。
終わりに
前回の観戦記でも書いたが、やはりジャッジミスが多い。ラインズマンの人選はどう行っているのか疑問であり、改善すべき点だと思う。しかし、良かった点もあった。現役の日本人選手や世界のトップ選手が津波の被害にあった世界の国々への募金活動を会場の人に行っていたことだ。募金活動をすることもいいことだと思うが、選手と近くで会話できたり、握手できたりする機会はほとんどなく、会場はかなり盛り上がっていた。こういったファンサービスは観客にとってとてもうれしくまた見に行こうと思うようになるので是非いろいろな形で続けてほしいと思う。