Topics Year 2000

2000年度総まとめ
○ヨネックスオープンジャパン、男子単は吉新鵬・女子はゴンジーチャオと中国勢。二人とも五輪で金メダル獲得。
○トマス杯&ユーバー杯、日本は男子はアジア予選敗退、女子は本戦に進むが予選リーグ3位敗退。
○新ルール構想浮上、7点5ゲーム制が導入される?
○岐阜インターハイ、関東一高・佐藤翔治選手が単・複・団体の三冠制覇。
○シドニー五輪開催、中国の強さが際立つ、日本勢は水井泰子選手が女子単ベスト8。
○富山国体、地元富山勢が活躍、少年男子は東京圧勝。
○第1回世界ジュニア選手権国別対抗戦、日本は7位。
○全日本総合選手権、男子単は舛田圭太選手三連覇、女子単は米倉加奈子選手初優勝。
○実業団女子強豪の三協アルミが休部発表。
○水井泰子選手、井田貴子選手、松田治子選手が引退
このサイトを初めてから、ほんとにいろんな出来事がありました。良い意味でも悪い意味でも、まさにバドミントンも激動の時代に突入です。
・バドミントンは果たしてメジャーになれるのか?
・日本人選手は世界で勝てるのか?
・ルールは変わってしまうのか?
楽しみですねえ..、21世紀。

7点5ゲーム制の導入
世界初の試み
11月の初旬に世界ジュニアバドミントンが中国の広州で開幕しました。日本からは以下の選手が出場しました。
| 榎本良永(比叡山高三年) |
 |
小椋久美子(四天王寺高二年) |
| 川前直樹(柏原高三年) |
潮田玲子(九国大附高二年) |
| 新開裕介(此花学院三年) |
多谷郁恵(滋賀女子高二年) |
| 早坂幸平(札幌第一高三年) |
広岡まり香(埼玉栄高二年) |
日本のトップの2人(佐藤・佐々木選手)は全日本総合出場のため欠場でした。
今大会は今年になって浮上した例の新ルール(5ゲーム-7ポイントのスコアリングシステム)が試験導入されました。IBFでは今大会で成功すれば、次々にこの新ルールを導入していき、やがては全世界で統一する構想のようです。
スポンサー&TV対策で採用されたといわれるこの新ルール、定着すれば大きな変化が起こるだろうと言われています。IBFではバドミントンを「more
competitive」にするだろうと主張しているようです(加奈子さん談)。3ゲーム先取で勝ちとなり、6-6で2点のセティングのようです。
--選手の声--(川前君談)
みんな最初はとまどってましたが、だんだん慣れてくると自然に行えました。ゲーム展開が早いので、気を抜く暇がありませんでした。6-0で勝っていても追いつかれる可能性が十分あるので、緊張の連続でした。
日本のバドミントンはマイナースポーツに域からまだ抜け切れていません。陣内さんがスポーツキャスターをつとめられてから、ようやく「バ
トミントン」が「バ
ドミントン」であることに気づいた方も少なくありません。確かにバドミントンの試合を見ていても、経験している方以外には、退屈で、暗いスポーツに見えるかもしれません。しかし、カラーウェアの解禁などから、明るいイメージ、ファッショナブルなイメージにようやく変わってきたと思ってます。そこでこの7点5ゲーム制の導入。試合間にはCMが入り、TV放送が増えるかもしれません。また、7点なので試合運びがスピーディーになり、見ている方もドキドキ、ハラハラになるかもしれません(あっという間に終わって、なんだ??とならないことを祈ってますが(笑))。バドミントンのメジャー化にはいい方向に動きだしたのかもしれませんね。
ゲーム展開
バドミントンでは、点数がほとんど動かない状態と、特にダブルスでは連続で3点くらい入る展開が多いです。そうすると、この7点ではあっという間にとられたという展開も十分に考えられますし、6-0からの逆転も十分にあり得ますね。15点制ですらそういう展開もあるので(笑)。そうすると、スロースターターでは、1、2ゲームを簡単に落としてしまうことが考えられます。社会人レベルではそうなったとしても精神的に抑揚が少ないので、まだましですが、中学生、高校生などは「勢い」や「心の強さ」が大いに影響してしまいます。これからは、本当に強い(心・技・体のバランスがとれている)選手が勝っていくことになるかもしれません。ある意味ではいい方向ですけどね。
21世紀のバドミントン
このルールが導入されれば、バドミントンが変わっていくことになるでしょうね。それが、本来のバドミントンの楽しさ、ゲーム性を損なわなければよいのですが。現在では中学生から水鳥球の採用が始まっています(今まではナイロン球でした)。それだけでも日本のバドミントンレベルは確実に上がっていくでしょうし、このルールに対応した練習方法をはじめているクラブやチームももう多くなっていると思います。この調子で日本のバドミントンが昔の女子バドミントンの栄光のように復活していくことができると、一気にメジャースポーツに!!なるといいなぁ..。

2000年度全国高校総体
暑い!!
それにしても“暑い”の一言につきるインターハイでした。体育館では冷房が入らず、おまけに観客席も狭く、ほとんどの人が立ち見の状態でした。選手に聞くとそれは想像を絶する暑さで頭がぼーっとなったそうです。おそらくコートの上は40度に近かったんじゃないでしょうか?銭谷さんが話されてましたが、アジア大会などではほとんどのところで冷房が入り、室内は23度くらいになっているそうです。ずっといると寒いなって感じだと言われてました。バドミントンは激しいスポーツの上にかなりメンタルな部分が必要になります。そういうときにぼーっとなっては自分のプレーができないでしょうね。おかげで熱中症、過呼吸によって救急車3台が来ました。運ばれた人以外の人数も数えるとかなりの人が倒れたと思われます。来年度からはメイン会場で冷房が入るそうです。当然でしょうが死人が出て初めて対応するような組織はだめですね。(まだ死んだわけではありませんが)
予想通り?
試合結果としてはほとんどの人が予想したように、男子団体は去年度優勝の関東第一高校が連覇を成し遂げました。また、個人戦でも同様の結果になりました。しかし、佐藤選手も団体戦で青森山田高の鈕選手に負けたり、個人準決勝では柏原校の川前選手にファイナルまでいったりとまわりの選手の成長が目立った大会でした。男子シングルスではベスト4に全員日本人が残り、少し嬉しかったですが、女子の方は圧倒的に外国人選手が強かったです。

トレーナビリティ
トレーニングによって伸びる体力、技術、精神力の可能性、つまり適応の限界をトレーナビリティ(trainablhty)といいます。トレーナビリティは、日頃のトレーニング状況や遺伝的な要因、年齢などに左右され、個人差も大きいです。体力のトレーナビリティは、筋力や全身持久力を指標にして考えることが多いので理解しやすいですが、ひとりひとりの体力の限界を完璧に測定することは不可能です。技術や精神力のトレーナビリティに至っては、量定することさえ困難です。
しかし、いずれにしても、体力、技術、精神力とも、限界や個人差はあるものの、トレーニングによって伸びる可能性があるということは事実です。トレーニングは、選手にとっては競技力向上の基礎を与えるものとして、また一般の人にとっては豊かで活力に満ちた生活を送る土台をつくりあげるものとして、価値の高いいとなみということができます。
 |
| 宮下著「中年からのスポーツ」より |

トレーニングについて
人間の体は運動を行えばその効果として身体の器官や機能は必ず発達します。これは運動刺激(環境の変化などの刺激も)に対する生体の順応性を利用したもので、その効果はトレーニングの質と量によって変わります。トレーニングで最大の効果を上げるためにはただむやみに刺激を与えるだけではその効果は限られ、逆に過度の強度や量を行えば傷害の発生だけでなく、器官に減退的、退化的変化までもたらしてしまいます。また、寝たきりのような刺激のない状態が続いても器官の萎縮や機能の減退を生じさせます。
【トレーニング効果を上げるための5つの原理】
- 過負荷の原理
体が刺激に対し適応を行うためには、体の適応能力以上の刺激を与える必要がある。軽いと効果がないということですね。
- 漸進性の原理
トレーニング効果を上げ続けるためには刺激(負荷強度)を漸増(徐々に増やす)していくことが必要。いっきに増やすと怪我につながります。
- 継続性の原理
トレーニング効果を得るにはある程度の継続期間が必要。1ヶ月から3ヶ月以上を見越しましょう。
- 個別性の原理
個人ごとに体力や性別が違うので、それに見合ったトレーニングを行いことでより効果が得られる。例えば学校などで行われる一通りのメニューでも、軽いなと思えば負荷を自分で増やさないとだめです。
- 自覚性の原理
トレーニングの目的を自覚し、しっかりと計画や実施方法を検討しなくてはなりません。「やらされている」という意識では効果は減ってしまいます。

筋肉痛について
激しい運動や、慣れない動きなどをしたとき筋肉痛がよく起こりますね。これは誰でも経験すると思います。この筋肉痛の原因としては以下の3つの仮説が考えられています。
- 筋繊維の損傷(筋繊維損傷説)
- 局所的に筋痙縮が起こり、筋の血流が減少し老廃物が貯まって痛む(痙縮説)
- 過度の筋伸張運動により筋肉中の結合組織が損傷する(結合組織の損傷説)
現在では1が有力とされています。
筋肉痛には運動直後に起こるものと、運動後1~2日で起こるものがあります。
- ●運動直後のもの
- 筋原繊維の損傷(筋繊維=筋原繊維の束)によるもので早期解消します。軽い運動をしても大丈夫ですね。
- ●運動後1から2日で起こるもの
- 運動の際に筋緊張が極度に起こり、疼痛(痛み)と腫脹(はれ)を伴いなかなか治りにくい。内出血していたり、ぽこっとへこんでいる場合は、肉離れを起こしているので動かしてはだめです。
治療法としては、ストレッチング運動や、運動直後の冷却法、夜間の温熱療法などが筋肉痛を和らげてくれます。また、消炎鎮痛剤などの塗り薬やスプレーもいいそうです。
予防的には、ウォームアップ、クールダウンは筋肉痛を最小限にくい止めるそうです。
よく歳をとってくると筋肉痛が遅れて出てきたり(1~2日後)、治りにくいといいますが、これは筋肉の衰えにより筋がかなりのダメージを受けているからですね。30代以降はなかなか筋力アップを望めませんが、筋力低下の下降線を平行に近くもっていくことは十分に可能です。

セティングの改正
ルール改正に伴い、15点ゲームの13オール、11点ゲームの9オールのセッティングがなくなりました。したがって14オールの3点、10点オールの3点のみとなったわけです。これによりゲーム時間が少し短縮されました。
今まででのゲーム展開では13点取っていればセッティングに持ち込めると安心できたのですが、13対10で勝っているときでもあと5点の延長がなくなり、追いつかれ、しかも、13対14になってしまうとサーブ権は相手にあるわけですからもう窮地に立たされます。これによって13点とはとても不安な点数になったような気がします。
バドミントンでは3点連取は少なくても、2点連取はとても多く起こります。この、13点という得点は精神的にも相手より上回った方がゲームを制するのではないでしょうか?

プレースタイルの変化
バドミントンも時代とともにかなりプレースタイルが変化してきました。昔は木のラケットが主流で、スイングなども大きくハイバックなども腕を大きく振って飛ばしていました。そのうちにスチールのラケット(8デラックス)などが登場し、バドミントン界に旋風を引き起こしました。ハルトノなどが愛用し世界チャンピオンになったわけですね。
現在では、カーボンやチタンなど軽くて、弾力のあるものが採用されています。このためかなりショットに対するラケットワークが速くなりました。ラケットワークが速くなると、当然速い球が打てるようになりますし、レシーブ力もあがります。したがって特にダブルスでは、昔のようにラリーを回すのではなく、バンバン打つようになってます。また、体よりも後ろでとっているのに、強いショットを相手コートの奥まで返す選手もいます。その中で勝っている選手というのは何が違うのかなあ...と最近考えています。やはりあとは精神力や緩急のある球回しと、正確なショットでしょうか。

カラーパンツの解禁
やっとバドミントンの世界でもカラーパンツがいいようになりましたね。これで思う存分おしゃれもできるようになったのではないでしょうか。日本リーグなんかでは先駆けてカラー物を着ていたのですが、なぜ一般的にならないのか不思議に思ってました。
しかし、大阪社会人の試合では、いまだに紫のYONEXのハーフパンツがだめだったり、ナイキのハーフパンツでは、白はOKでも黒はだめ、というような訳の分からないルールがあります。
ナイキはもちろんバドミントンの検定品ではありません。しかしYONEXものは検定品です。
結局は検定品じゃないとだめというもはたてまえで、白や、黒などの地味のものはOKという風潮が残ってます。まあ、ローカルルールといわれればそれまでですが、きちんとした話し合いは行われているのでしょうか?

高校の推薦入試
バドミントンはある意味特殊なスポーツなので、もって生まれた素質というものが、2~3割程度関係してくるものだと思います。例えば高校生の段階では、中学校からある程度やってきた人と比べて、高校始めの人では、レベルにかなり差が出てきます。初心者がちょっとやってた人には太刀打ちできないようにですね。
昔ではいかに指導し個人の能力を引き上げるか、チーム自体を盛り上げていくか、ということがチーム(特に団体戦)の勝敗に大きく関わり、指導方法などが特に研究されてきました。しかし、最近では特に「いい選手を取ること=チームが勝つ」にこだわる学校が増えてきて、生徒の引っ張り合いが激化してきたように思えます。チームが勝てるようになれば学校側からはいいですが、そのために引っぱりあい自体でつぶれていく生徒も多数います。
ちょっと前まではこの推薦にも仁義があり、この生徒はここに行くから引っ張ってはいけない、というものがあったのですが、最近では仁義なき戦いとなってます。
おそらくこれはバドミントン以外のスポーツでも問題になっていると思います。

スーパープレーヤーの出現
最近では全日本総合で優勝している舛田君などでしょうか。高校生時に総合準優勝というのは快挙ですね。残念ながら私は実際のプレーをみたことがないので、あとは何もいえません。高校生では関一の佐藤君があげられると思います。前評判は聞いていたのですが、実際に今年のインターハイでシングルスのプレーを見ることができました。
まず驚いたのが、前の球への反応が、異様に速かったです。相手がネットをおいた瞬間にセンター付近からジャンプしてプッシュしていました。見ている方も目が追いつかない感じでした。あとはカウンタースマッシュ。これが攻撃の要になってました。相手からの低いロビングなどはすべてジャンプしてカウンタースマッシュを打ち込んでました。手足が長いのもありますが、その反応の早さには天性の素質を感じました。

オーバーウエスト廃止の影響
オーバーウエストが廃止され・・・という話題で書きましたが、ご指摘を受け調べてみました。サーブが腰の位置よりも下でインパクトしなければならないというルールはそのままだそうです。ただ、ウエストの位置があいまいなため(シャツをズボンの外に出してもよいということになっているので)肘の高さで判断するという方法がとられているそうです。しかし、明らかに腰の位置よりも肘の位置は10cmほど高くなっています。ですから、以前に比べてドライブサーブ(俗にピンピンサーブ(笑))などがかなり楽に打てるようになるのですが、実際にはほぼフォルトを取られているようです。
岩手のインターハイ(2000年)で感じたことは、まだ、新ルールのような解釈が浸透しきれなかったため、かなりドライブサーブやロングサーブが増えてたことと、それに伴ってオーバーハンド(手の位置よりもラケットが上にきてサーブを打ったときの反則)がかなり多くとられてました。この反則というものはかなり微妙なので、取られると勝敗に結構影響してきます。審判さんは命を懸けてとってほしいものです。ある意味では高校生も命を懸けているわけですから。しかしそれで崩れるのは高校生以下でしょうけど。
日本バドミントン協会掲示板より
競技規則第9条第1項(5) サービス時のウェストの件について
IBF国際審判委員会の指示により、全国のルール伝達講習会時にサービスジャッジが審判上の技法(テクニック)として、ウェストラインの判断をするとき、サーバーのラケットを持つほうの腕の肘あたりをその基準にすると判りやすいと説明しました。
(財)日本バドミントン協会 競技審判部長 高橋英夫